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ホント無謀!!→〈企画書〉目の前に段ボール箱一箱分の資料があったとしても、その案件の内容が本当に理解できていれば必ずA4一枚にまとめることができる。

社会人4年目。突然の辞令で本部に異動することになった。支店をサポートする企画部門だった。

この時期に本当にキツイ思いをして仕事に取り組むことになるのだが、ここで自分の仕事の基礎体力をつけることができたと思う。

業務内容は事務企画の立案と現場と一体となった推進だ。

企画を進めていく上でまず重要になってくるのが企画書の作成だ。

銀行では本部スタッフとしてある案件の担当になるということはとても重みのあることだ。

担当になったらその案件についてあらゆることを把握していることが求められる。

プロセスや結果における責任もすべて担当者の肩の上にずっしりと乗ってくる。

「すべてを把握していることが当然」という前提で作成する企画書にも相応の水準が求められた。


なによりも最初に戸惑ったことは、とにかく一枚のペーパーにまとめることだった。


案件の内容がある程度込み入ってくると扱う情報量が増えるのでどうしても文字数が多くなってくる。

概要を書いているだけですぐに数枚になる。

しかし、2枚以上の企画書を直属の上司に回しても目を通してさえもらえない。

むりやり一枚にまとめて書くとようやく見てもらえるのだが単に圧縮しただけの企画書は何が言いたいのか要領を得ないものになってしまっているから、赤を入れられて突き返されることになる。

そんなことを10回、いや、それ以上繰り返してようやく直属の上司を通過して、また次の上司のチェックが入り、最後に部門の決裁権限のある部長に回って案件説明をすることになる。


部長室で一対一でする部長宛の案件説明は緊張するけどとてもやりがいのある瞬間でもあった。


説明資料はそこに到達するために何十回も練られているので、当時の自分なりに自分の言葉で語ることができたと記憶している。

無理やりにでも一枚にまとめるプロセスの中で案件の内容が整理され無駄な修飾語は排除され、削り上げられ磨き上げられたものを作ることができる。

渾身の思いで一枚にまとめたその企画書にはいつしか説得力が生まれ、その企画を推進していく上での強力な武器となっていく。


そんな企画書を書くのにまず必要なことは、どんなに複雑と思える案件でも、どんなに多くの資料があっても必ず1枚にとりまとめることができるという意識であり、それを実現するために一言一句を徹底的に考え抜くことだということを先輩、上司に実践で鍛えられた。

信じて頭の中を整理していけば、1枚にまとめることが必ずできた。

この時期に叩き込まれたおかげで、今でも1枚にまとめることはそんなに苦にならないし、役立っている。

最初は無茶を言っているとしか思えなかった「目の前に段ボール箱一箱分の資料があったとしても、その案件の内容が本当に理解できていれば必ずA4一枚にまとめることができる。」という言葉も今では本当にその通りだなーと。。

これでメシが食えているのだから、若い時に鍛えてもらえることは本当に価値あることなのだといまさらながら。